鉤引き祭り
開催日
※本年度の開催は中止となりました。開催地
鹿児島県鹿屋市上高隈町 中津神社みどころ
雄鉤(おかぎ)・雌鉤(めかぎ)と呼ばれる御神木を絡ませ、激しく引き合う勇壮な祭り、「鉤引き祭り」。
巨大な御神木による地響きが、大地に春の訪れを告げ、五穀豊穣や無病息災を祈願します。
また、稲作を模した行事や棒踊りなど高隈地区の芸能行事が、祭りを盛り上げます。
壮大な地響きで大地に春を呼び込む、御神木の巡幸
「鉤引き祭り」は、上高隈地区と下高隈地区による対戦。
両地区民は、当日朝5時頃から起きだして山に集合し、前もって神主からお祓いを受けた御神木を切り出し、御神木のある部落の婦人会が用意した朝食を頂いた後、中津神社に運びます。
御神木は、桜・榎・楡・欅などの落葉樹で、長さが10m、幹回りは1mに達し、重さは1tを超えるもの。
雄鉤・雌鉤は上高隈・下高隈一年交代で、雌鉤から境内に上がります。
鳥居の前から約72mの石段を一気に駆け上がる際には、御神木を下ろしてはならないため、その様子は迫力満点です。
また、境内に着いた御神木は、みどころの一つである「サヨンドシ」が行われます。
鉤が高々と持ち上げられ、地面に3度打ち付けられます。
この地響きにより、冬の眠りについている大地に春が来たことを告げると共に、祭りの魂が搔き立てられます。
そして昼食休憩に入ると、この間に棒踊りや演武、手踊りなどが奉納されます。
御神木を絡ませ力の限り引き合う、綱引きならぬ「鉤引き」
いよいよ「鉤引き」の始まりです。
御神木は雄鉤が鉤状、雌鉤は二股状になっており、これを絡み合わせて御神木を互いに引き合うのが、綱引きならぬ「鉤引き」です。
鉤引きは3回勝負で1m引いた方が勝ち、また御神木が裂けた方が負けであるので、掛けるのに駆け引きがあります。
掛けたり、外れたり何回かして、掛かった所で御神木の上に立ち、笹を振りながら指揮を執る大将のもと、老若男女一斉に激しい引き合いが繰り広げられます。
2勝した方が勝ちとなり、豊作となるといわれています。また、鉤を引くと無病息災で過ごせるとも。
御神木の小枝を折り取って床の間に飾ると各家を守るともいわれています。
農産物の豊穣を祈り、あらかじめ模擬する予祝(よしゅく)行事、「鉤引き祭り」
鉤引きの後、田起こし、代かきなど田植を模した儀式「打植祭(うっちょまい)」が行われます。
また、田の苗を模した木蔦が配られます。これは田の水口に差すと虫がわかないといわれています。
最後に、種まきに模した小餅を撒いて「鉤引き祭り」が終了となります。
開催情報
開催日
※本年度の開催は中止となりました。
開催場所
鹿児島県鹿屋市上高隈町 中津神社
雄鉤・雌鉤の御神木を山から切り出して、神社境内に運び、御神木を絡み合わせ、血気盛んに引き合う姿が勇壮な「鉤引き祭り」。
300年以上の歴史があり、地域が一体となって参加し、伝承してきた祭りです。
1965年に市の無形民俗文化財に指定。
住所
鹿児島県鹿屋市上高隈町759 中津神社
アクセス
車 / 東九州自動車道「野方インター」より約10分