まつりの遺伝子
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まつりの遺伝子

北原人形芝居きたばる にんぎょうしばい

開催日

2023年2月5日(日)

開催地

大分県中津市 原田神社
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みどころ

大分県中津市にある原田神社では、毎年行われている「万年願(まんねんがん)」という無病息災を祈る祭事があります。

そこで奉納されるが北原人形芝居です。

700年以上の歴史があり、始まりは鎌倉時代といわれています。

毎年立春に奉納されていましたが、1997年からは2月の第1日曜日に行われるようになりました。

1957年 大分県の無形民俗文化財に指定されました。

 

 

はさみ遣い

 

 

北原人形芝居の基本は、浄瑠璃に乗せて、頭と右手の担当・左手の担当・足の担当の3人1組で一体の人形を操る“三人遣い”ですが、「はさみ遣い」という独自の操演法で人形を操る演目もあります。

これは“一人遣い”の操演法で、1790年に考案されたという説もあります。

右足の指で人形の足の裏についているハサミコブとよばれる突起を足の指で挟んで両足の操作をします。

これで繰り手の歩みのとおりに人形も歩みます。

また、右手で首・左手で人形の両手を一度に操ります。

この操演法は、全国でも北原人形芝居だけの技で、1975年までやっていましたが、2001年に復活しました。

 

 

 

始まり

 

 

鎌倉時代に北条時頼(ほうじょうときより)が諸国巡歴の途中、この地で大熱の病にかかり生死が危ぶまれた際、村人の献身的な看護により回復しました。

全快祝いの席で、村人が手の甲に目鼻を書き、着物の袖口からそれをのぞかせて余興としたのが始まりといわれています。

北条時頼は、演技を称賛し「北原は海にも添わず山にもつかぬ土地柄ゆえ、踊りを業とし渡世せよ」といったといいます。

これが北原人形芝居の始まりとされています。

江戸時代には人形浄瑠璃のスタイルが取り入れられて、現在の形になったとされます。

 

 

 

万年願

 

北原人形芝居は毎年、原田神社で行われる「万年願」で奉納されます。

かつて疫病が流行したとき、村人が永久に“アヤツリ”を奉納することを誓って悪疫退散を祈願しました。

その故事にのっとり奉納され、現在でも続いています。

 

 

 

演目

 

現在公開されている北原人形芝居の演目は6演目です。

 

 

翁渡(おきなわたし)

傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)

伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひかのこ)

日高川安珍清姫(ひだかがわあんちんきよひめ)

日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)

絵本太功記(えほんたいこうき)

 

 

 

 

三保(みほ)小学校での活動

 

中津市立三保小学校の人形劇クラブでは、この伝統芸能を継承しようとクラブに所属しているメンバーが練習に励んでいます。

この三保小学校人形劇クラブが、「万年願」で披露される北原人形芝居の2番目の演目を担当します。

 

中津市立三保小学校の人形劇クラブは1969年に創部。

地域に伝わる伝統芸能の後継者育成を目的として、教員や地域の有志によって始められました。

 

 

 

北原人形芝居保存会 吉田隆博会長

 

 

この“一人遣い”の操演法「はさみ遣い」をやっているのは、全国でもこの北原人形芝居だけです。

今年もまだコロナ禍であるということで、通常6演目奉納する内容を今回は半分にしました。

ちなみに昨年は1演目だけでした。

奉納するのは、翁渡・傾城阿波の鳴門・日高川入相花王の3演目です。

来年はもっと演目を増やせたらという思いです。

 

 

 

 

現在、保存会の会員は30代から80代まで25名。

毎週木曜日の20:00から練習をやっています。

でもその中で「はさみ遣い」を出来るのは、たったの3名です。

継承していくために保存会に入ってもらおうと、色々と声掛けをしていますが、なかなか難しいですね…。

 

今年披露する3演目は、より多くの保存会会員にやってもらおうと「はさみ遣い」の演目はありません。

 

 

 

伝統芸能を通じて地域で貢献できるように

 

後継者不足もありそれに歯止めをかけたいという思いで、三保小学校の人形劇クラブが創部されました。

現在は社会教育の一環という位置付けでやっています。

 

 

 

多い年は20人以上の子どもたちがいました。

例年でも10人以上はいます。

今年は少なくて、6人でやっています。

小学校5年生が3人・6年生が3人です。

3人で1体の人形を動かす人形遣い。

3体の人形を動かすので、本来は9人必要です。

それでも6人の子どもたちは「自分たちで工夫してやる!」と言っているので、子どもたちの自主性に任せて今年は奉納するつもりです。

 

 

 

この人形劇クラブは小学校5年生から始めますので、長くても2年間です。

2年では技術を習得するのは不可能です。

だから子どもたちには、この伝統芸能を通じて地域で貢献できるような人になってもらいたいと指導しています。

開催情報

開催日
2023年2月5日(日) 13:00~

 

※写真:翁渡(おきなわたし)

翁渡ほか2演目と規模を縮小しての開催となりますが、3年ぶりに一般参拝客にも公開されます。

 

 

開催場所
大分県中津市 原田神社

 

 

大分県中津市にある原田神社では、毎年行われている「万年願(まんねんがん)」という無病息災を祈る祭事があります。
そこで奉納されるが北原人形芝居です。
700年以上の歴史があり、始まりは鎌倉時代といわれています。
毎年立春に奉納されていましたが、1997年からは2月の第1日曜日に行われるようになりました。
1957年 大分県の無形民俗文化財に指定されました。

 

 

住所
大分県中津市北原305

 

 

アクセス
車/中津日田道路「犬丸インター」より約1.5km
電車/JR日豊本線 東中津駅より約2km
JR日豊本線 中津駅より中津市コミュニティバス三保線「北原東」・大交北部バスで「北原入口」または「野路山」より各徒歩で約10分

アクセス