吉弘楽
開催日
2022年7月24日(日) ※本年度は無観客で開催開催地
大分県国東市 楽庭八幡社「吉弘楽」みどころ紹介 2022年7月24日 開催
みどころ
総勢49名が踊る勇壮な楽打ち
吉弘楽は踊り手自身が太鼓を打ちたたきながら踊る太鼓踊の一つで、総勢49名の楽員で構成されます。
23人の組が2組、3人の組が1組の合計3組に分かれます。
23人の2組は、それぞれ本頭(ほんがしら)と末頭(すえど)と呼ばれています。
内訳は指導者格の音頭が1人、鉦(かね)が2人、笛が3人、さらには演目の中で念仏を唱える念仏申(ねんぶつもうし)と呼ばれる2人、最も人数の多い端楽(はしがく)が15人です。
3人の組は中頭(なかど)と呼ばれ、音頭1人と鉦2人で構成されます。
音頭は各組の指導役で一番動きの激しい役です。
音頭と端楽はかぶっているもので区別できます。
音頭は烏帽子あるいは兜をかぶり、端楽が陣笠をかぶっていますが、全員が絣の着物に襷を掛け、腰蓑をつけます。
独特の用語と複雑な動作
吉弘楽には独特の用語があります。
楽を行うことを「打つ」、笛を吹くことを「クサリ」といい、太鼓のことを「ドロ」と呼びます。
楽を打つ際、楽人は“ショウガ”と呼ばれる言葉を唱えます。
“ショウガ”には「ツークーテーン」や「テーンガ ターガ ターヤー ガーター ガーターヤー」など独特の節があり、この節に合わせて動作します。
そのため、吉弘楽の基本は“ショウガ”にあるといわれます。
また同じ“ショウガ”でも役や組によって動作が異なり複雑です。
演目(ツグリ)
1~14までの演目を演じることを「一庭(ひとにわ)」といい、「一庭」を演じるのには約1時間かかります。
1. 神納(しんのう)
心身を清め薬師如来のいる東方に礼拝して楽打ちを告げます。
2. ガタガタ
ゆるやかな動きで楽庭に魔物が侵入しないよう結界を作ります。
3. ツクテンツク
軽快なリズムでこれから楽打ちをするぞと天を衝くほどの意気込みを表します。
4. 道楽庭入り
楽人たちが東を向いて右回りに楽庭に入っていきます。これから祈願の楽打ちが始まります。
5. 四方固(しほうがため)
四天王をはじめ諸仏を招くため、末頭の音頭が楽庭の東西南北を清めます。
続いて中頭と本頭の音頭と鉦が庭に入り、定位置につきます。
6. テンゴーゲー(天仰迎)
天の諸仏を楽庭に迎えます。この時太鼓の左バチで天を指します(捧げバチ:ささげばち)。
7. 念仏
念仏申しが中央に進み、2名ずつ向かい合い「南無阿弥陀仏」の名号(みょうごう)を独特の節で唱えます。
8. テンゴーゲー
念仏が終わり、諸仏を天へ送ります。
9. シドロ
祈りの気持ちを体全体で表すかのような、動きの激しい、吉弘楽の中心的な演目です。
10. チーゴーゲー(地仰迎)
地の諸仏を楽庭に迎えます。右バチや撞木(しゅもく)を地を這うように下げ、足で地面を蹴る動作をします。
これは稲の根元に寄生する害虫を払う「虫追い(むしおい)」を表しています。
11. テンダラマンダラ
「トーヲテンダラマンダラゴーショーデー」と口の中で唱えながら楽打ちします。
「マンダラ」は「曼荼羅」だと考えられており、名号(みょうごう;仏や菩薩の称号)として唱えるとされています。
12. チーゴーゲー
祈祷(きとう)が終わり、諸仏を地へ送ります。
13. ツクマン
すべての修法、祈祷を満たし尽くしたことを表します。
14. トーテン(登天)
四方固(しほうがため)で招いた四天王はじめ諸仏が天に帰っていきます。
開催情報
開催日
2022年7月24日(日)
※本年度は無観客で開催
開催地
大分県国東市 楽庭八幡社(がくにわはちまんしゃ)
大分県国東市の楽庭八幡社境内で奉納される楽打ちです。
楽打ちとは、太鼓を打ち鳴らしながら踊る「太鼓踊り」で、念仏踊りの系譜を引く芸能。
ショウガ(唱え文句)や念仏に合わせて踊りますが、鎌倉時代の念仏を彷彿させる詞章があると言われています。
1996年に国指定重要無形民俗文化財に指定。
旧暦の6月13日に開催されていましたが、現在は7月の第4日曜日に行われます。
住所
大分県国東市武蔵町吉広978
アクセス
車/大分空港より車で約20分
電車/JR日豊本線 杵築駅より車で約40分