まつりの遺伝子
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まつりの遺伝子

歩射祭ほしゃさい

開催日

2023年1月15日(日)

開催地

福岡県福岡市東区志賀島 志賀海神社
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みどころ

厄疫退散や豊漁・五穀豊穣を祈願し、馬に乗らずに弓を射る、「歩射祭」。

厳しい斎戒により心身を清めて挑む射手の演技には、見ている側も自然と気が引き締まります。

伝承に由来した古くから伝わる作法を随所に残す、大変貴重な行事です。

 

射手となるための厳粛な斎戒 「胴結舞(どいまい)」・「位上げ」

 

 

「歩射祭」で射手衆となるためには、厳しい斎戒を経る必要があります。

 

 

歩射祭の前日には、まず「胴結舞」が行われます。

胴結とは、弓の稽古をするための藁束で、重さは100kgを超えるもの。

海中を司る磯良(いそら)伝説に倣い、杓子状の杖で顔を隠しダイダイを首から下げた白装束の若者が、胴結を背負います。

道中、地元の人々の鳴り物や道中唄に背中を押されながら、約200mの参道をよろめき練り歩きます。

 

 

その後、海岸に集まった射手は、褌姿になると騎馬を組んで、約100m沖合にある沖津宮(おきつぐう)を目指して極寒の海を進みます。

また、ガラモと呼ばれる、振るとガラガラと音を立て神を呼び覚ますといわれる海藻を奉納するために、何度も冷たい海に潜り心身を清めていきます。

 

 

歩射に先立ち行われる伝統的な儀式 「扇舞」・「的廻り」

 

歩射祭の当日、射手は立烏帽子(たてえぼし)・浄衣(じょうえ)の装束で拝殿に集まります。

御神酒を頂くと、雅な音色に合わせて「扇舞」を披露します。

こちらも、磯良伝説に由来する細男(せいのお)という古舞で、顔を隠す仕草などが独特の舞です。

 

 

その後、本殿から広間に大的が降ろされると、大的を先頭に射手が広間を三巡する「的廻り」が行われます。

射手の先頭は、統領を意味するといわれる「いとうべんざし」が務めます。

 

 

矢を放つ射手の真剣な演技に身が引き締まる  「歩射」

 

 

的廻りを終え、射手8名が着座すると、いよいよ歩射が始まります。

 

大的までの距離は32歩(約20m)。

射手は2人1組となり、1人2本ずつ、3回に分けて計6本の矢を、大的目掛けて放ちます。

大的中央の黒的(コマナカ)に矢が当たると、「ヨイヤァ」という歓声が沸き上がります。

 

射的は、6本全部命中するのは「位負け」といい、良くないこととされており、5本命中した場合は最後の1本をわざと外します。

逆に、全部外すことを「スノコリ」といい、かつては射手本人も家族も大変な屈辱と落胆を味わったといわれています。

 

全ての矢が放たれると、参拝者は競って的を破り、1年の御守りとして家に持ち帰ります。(「的破り」の行事)

各所に古くからの作法を感じることができる、貴重な行事となっています。

 

開催情報

開催日

2023年1月15日(日)

 

開催場所

福岡県福岡市東区志賀島 志賀海神社

 

 

阿曇氏と8人の射手による土蜘蛛退治伝説にのっとり、大的を土蜘蛛に見立て、射手が代わる代わる弓を射る、「歩射祭」。

会場となる志賀海神社は、国指定重要文化財や県指定文化財を有する長い歴史を持つ神社で、万葉集にも詠まれています。

1976年に「志賀海神社歩射祭」として県の無形民俗文化財に指定。

 

 

住所

福岡県福岡市東区志賀島877 (志賀海神社)

 

アクセス

車 / 福岡高速1号香椎線「香椎浜インター」より約25分

電車 / JR九州香椎線 「西戸崎駅」よりバス・徒歩で約20分

 

アクセス