木積星神社のお弓祭り
開催日
2023年1月8日(日)開催地
高知県安芸郡北川村 木積星神社(こつもほしじんじゃ)「木積星神社のお弓祭り」みどころ紹介 2023年1月8日 開催
みどころ
1000年以上の歴史がある高知県・北川村の木積星神社(こつもほしじんじゃ)のお弓祭り。
このお弓祭りは2年に1回、西暦の奇数年の1月8日に開催されます。
五穀豊穣と悪魔退散を祈願し、地域の若者12人が着物の上に裃(かみしも)と袴で正装し、“独特のスタイル”で1008筋の矢を射ます。
1964年 高知県の無形民俗文化財に指定されました。
千八筋(せんやすじ)
弓祭りは午前9:00頃から始まり、「三度弓の儀」・「神頭・雁股の矢」・「真的」・榊の枝に天狗の面と赤い布をつけた的を射る「初的」の後に、射手の腕を競う「千八筋」の弓射が始まります。
かつては各地区の長男だけが矢を射ることができましたが、人口が減り若者も減っていく中で、今では射手の確保も難しい状況があります。
この「千八筋」は、地域の人たちが“的となる人形”と共に反物を賭けます。
射手が順番に、この“的となる人形”を狙い矢を放ちます。
見事に“的となる人形”を射抜くことができると、射手の後ろで酒を酌み交わしていた射手の親族が射場(いば)に出てきて「練り」をします。
「練り」とは、親族が“輪”になって、押し合いへし合い倒し合いといった感じのことをします。
「練り」が終わると射抜いた射手の親族に、この時賭けられた反物が渡されます。
その反物を裂いた布を皆で首に巻きます。
布は無病息災のお守りです。
元旦の朝から毎日の禊(みそぎ)
射手をやる若者は、役目を果たすために元旦の朝から毎日、木積星神社の下を流れる奈半利川(なはりがわ)で禊をしてから練習に励みます。
練習をするためには、身体を清めなくてはなりません。
山間部に位置するこの地域の冬は極寒。
その中で8日間、川の中に入り身体を洗い清めるという伝統を守り、祭りに備えます。
また、この8日間は4本足の動物を食べることも禁じられています。
牛肉や豚肉はもちろん、ソーセージやハムなどの加工食品も食することはできません。
“弓引き”を集めるのが一番の課題
弓を引く形がこのお祭り“独特のスタイル”なのは、馬に乗って弓を引く形を地上で表現しているからです。
星神社お弓祭り保存会・濵渦末広(はまうずすえひろ)さん
現在は4つの集落の氏子さんに参加してもらっています。
昔は長男だけしかできませんでした。
人口の多かった時は、長男でも“弓引き(射手)”になれない人もいたくらいでした。
当時はこのお弓祭りで、“弓引き”をすることはステイタスだったんです。
今は次男・三男・親戚なども辿って参加してもらっています。
それでも中々、人を集めるのが難しいです。
“弓引き”を集めるのが一番の課題です…。
昔は一度だけしかできませんでしたが、今は6回“弓引き”をやっている人もいます。
若者しかできなかった“弓引き”も、今では60歳過ぎた方にも協力してもらっています。
6年ぶり2回目の参加という20歳の大学生・島田真都(まなと)さん
今回は地域の方たちから声をかけて頂いて、力になれればと思い参加を決めました。
やるからには全力でやるつもりです!
多くの地域に方たちに「こういう若者がいる」という事を知ってもらって、見てもらいたいです。
前回の参加は中学2年生のときでした。
興味もあって、同級生と参加しました。
元旦から8日間毎日、まだ薄暗い朝から川に入って禊をするのが一番大変でした(笑)
感覚が麻痺するくらい川の水が冷たいんです。
練習も大変でしたが、何よりも川の冷たさが大変でしたね(笑)
前回は真都と一緒に参加しました。
島田真都さんのお父さんの島田圭祐さん
このお弓祭りは北川村全体のお祭りではなく、この山間地区で継承されているお祭りなんです。
私たちも北川村に住んでいるのですが、もっと南部に住んでいるので、参加する前までは知らなかったです。
祖母がこの(長山)地区出身で、そういう縁もあって前回は参加しました。
6年前に初めて参加しましたが、今回射手が足りなければ、参加するつもりです。
禊は大変でしたね。
その時は鶏ばかり食べていました(笑)
不測の事態に備えて練習する島田圭祐さん
お弓祭りの一番の盛り上がりは、「千八筋」の「勝負の的」です。
あそこにあるような人形を的にして反物を賭けます。
その反物は、見事に的中した“弓引き”がもらえるんですが、観覧席にいる家族に「取りに来ないとあげないよ」と呼び出して、射場に出てきてもらい「練り」をやってもらいます。
この「練り」がないと、お弓祭りそのものが祭りじゃなくなってしまうくらいです。
でも、今年度は残念ながら「練り」ができません…。
新型コロナウイルス感染防止のためです。
1000年以上続いているこのお弓祭りを氏子の協力も得て、皆で盛り上げて続けていきたいです。
開催情報
開催日
2023年1月8日(日)
※本年度は新型コロナウイルス感染防止の観点から一般観覧はできません
開催場所
高知県安芸郡北川村 木積星神社(こつもほしじんじゃ)
住所
高知県安芸郡北川村木積287
アクセス
車/阿南安芸自動車道(北川道路・北川奈半利道路)「柏木インター」から約5km
電車/土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線 奈半利(なはり)駅からタクシーで30分