まつりの遺伝子
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まつりの遺伝子

御福開祭 はだか祭おふくびらきさい はだかまつり

開催日

2023年2月18日(土)

開催地

広島県三原市久井町 久井稲生神社(くいいなりじんじゃ)

「御福開祭 はだか祭」みどころ紹介 2023年2月18日 開催

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みどころ

広島県三原市の久井稲生神社(くいいなりじんじゃ)では、毎年2月の第3土曜に、はだか祭が行われます。

裸の男たちが“陰”と“陽”の2本の「福木」を奪い合います。

「福木」を手にした者は、1年間幸福に恵まれるといわれ、参加するだけでも無病息災でいられるといわれています。

広島県では唯一のはだか祭で、2018年に100周年を迎えた伝統行事です。

 

 

 

地押し(じおし)

 

 

はだか祭には厄年を迎える40代を中心に、中学生から70代までの男たち300〜350人が参加します。

参加する男たちは、久井稲生神社の下にある御調川(みつぎがわ)に跳び込み身を清めて祭りに臨みます。

その後、「ワッショイ!ワッショイ!」とかけ声をかけながら神社の石段を駆け上がり、境内に4本立てた丸太に張った注連縄(しめなわ)の中に入り、揉み合います。

これを地押しといい、身を清める意味があります。

 

 

 

福木の奪い合い

 

 

 

「福木」の投下を待つ裸の男たち。

先ずはやぐらから、紅色の「陰の福木」が投げ込まれます。

300人余りの男たちによる「福木」を巡って本押しが始まります。

「福木」を奪い合う勇壮な姿。

力水をかけると男たちの熱気で湯気が上がるほどです。

その奪い合いの中から上手く「福木」を手にし、久井稲生神社境内にある八重垣神社で待つ者に手渡すことができると“福男”が決まります。

 

 

 

1回目の御福餅まき後、次は白色「陽の福木」が投げ込まれます。

「福木」を手にした者は、1年間幸運に恵まれるといわれています。

 

 

 

御福餅まき

 

紅色の「陰の福木」・白色「陽の福木」が投げ込まれ、それぞれの決着がつくと、御福餅まきが行われます。

一般の方や見物者も参加でき、投げ込まれた餅の袋の中に久井稲生神社の印が押された引換券があると福品と交換できます。

 

 

 

御福開祭(おふくびらきさい)

 

はだか祭の前に行われる神事です。

参加者は祭典前日までに籤(くじ)紙に住所と氏名を記入します。

祭り当日に宮司により参加者の名前を書いた御供が清められます。

その後、御幣で自分の籤紙をすくいあげられた人に、御福品が授与されます。

 

 

 

こどもはだか祭

 

100周年を迎えた2018年から、こどもはだか祭も行われています。

こども神輿は、さらしを巻いた男の子が神輿を担いで江木の町を練り歩き、女の子も法被(はっぴ)を着て応援します。

沿道では大人たちも元気な子どもたちに声援を送ります。

 

こども神輿に参加した子どもたちは、久井稲生神社の境内で餅投げに参加し、餅の入った袋を受け取ります。

餅投げの袋の中にある紙で、陰陽の「福木」などがあたります。

 

 

 

大人の文化祭

 

地元の人たちにとってこの祭りは、一番の楽しみで“燃える祭り”なんです。

見るよりも参加したほうが楽しいですね。

僕も25回ほど参加しました。

 

 

はだか祭の実行委員長を務める三原市議会議員の岡富雄さんです。

 

 

 

僕が子どもの頃は、まだ4〜50人しか参加していませんでした。

40年ほど前から「厄年の同窓生」が集まって、みんなで参加するようになって、どんどん参加者が増えていきました。

それぞれのグループが「好きな色で作った幟(のぼり)」を立てて、「同じ色のさらし」を巻いて参加するようになりました。

 

就職などで大半が地元を離れますが、厄年の時には帰って来て、同窓会のように、はだか祭に参加するんです。

はだか祭は“大人の文化祭”のようなお祭りです。

 

 

 

岡さんが話してくれた「好きな色で作った幟(のぼり)」と「同じ色のさらし」

 

 

 

 

はだか祭の地元の盛り上がりは、もの凄いです。

全国各地から「裸になって身を清めたい」といらっしゃる方たちもいます。

 

「福木」を投げ込むのは、私の役割です。

久井稲生神社 宮司の前田益弘さん

 

 

 

「福木」を手にして、八重垣神社に持ち込まれるまでの時間は、早ければ5分程度、長いと2時間くらい揉み合うこともあります。

「福木」を手にしても、奪われてしまわないように隠して運ばなくてはなりません。

裸で揉み合うと肌が擦れて火傷をしてしまうので、水をかけるのですが、湯気が立つ様子は迫力がありますよ。

参加すると「福木」のレプリカが貰えるのも、魅力の一つかと思います。

 

 

「福木」のレプリカ

 

 

 

 

未来への思い

 

 

 

「将来、子どもたちがはだか祭に参加してくれるように」という願いを込めて、こどもはだか祭を始めました。

地元の小学校では、説明会も行っています。

子どもたちの法被を作るためのクラウドファウンディングもやっています。

また、映像の制作などの新たな取り組みを実行委員会の40代のメンバーが中心となって、頑張ってくれています。

次世代に繋げていくために、そして地域おこしのために、はだか祭を広く知ってほしいというメンバーの強い思いを感じます。

 

 

コロナ禍だったこともあり、2021年と2022年は中止を余儀なくされました。

今年も規模を縮小して行うので、「福木」の投下は行いません。

ですが、規模を縮小しても開催するということで、来年に繋げていけたらという思いです。

 

 

 

このはだか祭は、久井という地域を発信できる大きなお祭りです。

地元の総力を上げて、全国に広めていきたいと思っています。

 

開催情報

開催日
2023年2月18日(土)

 

 

開催場所
広島県三原市久井町 久井稲生神社(くいいなりじんじゃ)

 

 

広島県三原市の久井稲生神社(くいいなりじんじゃ)では、毎年2月の第3土曜に、はだか祭が行われます。
裸の男たちが“陰”と“陽”の2本の「福木」を奪い合います。
「福木」を手にした者は、1年間幸福に恵まれるといわれ、参加するだけでも無病息災でいられるといわれています。
広島県では唯一のはだか祭で、2018年に100周年を迎えた伝統行事です。

 

 

住所
広島県三原市久井町江木宮之本1−1

 

 

アクセス
車/山陽自動車道「三原久井インター」から北へ約10km
尾道自動車道(尾道道)「尾道北インター」から約17km
電車/JR山陽新幹線・山陽本線・呉線 三原駅から約20km 車で約30分

アクセス