まつりの遺伝子
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まつりの遺伝子

勝部の火まつりかつべのひまつり

開催日

2023年1月14(土)

開催地

滋賀県守山市 勝部神社

日本テレビ「まつりの遺伝子」 12月25日放送

「勝部の火まつり」みどころ紹介 2023年1月14日 開催

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みどころ

大蛇に見立てた大松明(おおたいまつ)を燃やし、1年間の健康を祈る。

勝部の火まつりは、滋賀県守山市の勝部神社で、毎年1月の第2土曜日に開催されます。

お祭りの主役は、松明組(たいまつぐみ)という勝部町と梅田町の中学1年生〜34歳までの若い男子たちです。

1958年に滋賀県の無形民俗文化財に指定されました。

 

 

勇壮な火祭り

 

 

 

夜8時頃、大蛇に見立てた長さ5〜6m・重さは約400kgの大松明12基に、神前の御神火から火をもらい一斉に点火します。

点火するのは、その年に20歳を迎える男子たち。

成人の祝いとともに一気に点火します。

 

 

 

大松明の火が天まで立ち上るかのように、夜空を焦がし燃えさかる様子は見る者を圧倒します。

OB会たちが鳴らす鐘や鼓に、ふんどし姿の若者たちが無病息災を祈願して、「ごうよ」「ひょうよ」と大きな掛け声をかけながら乱舞する勇壮な火祭りです。

ふんどしには赤と白があり、25歳以上の男子は赤のふんどし、24歳以下は白のふんどしを身につけます。

先頭の提灯(ちょうちん)持ちは、小学5・6年生が務めます。

 

 

各世代が協力

 

 

※実際の大松明のミニチュア

 

 

大松明の材料はハンノキ・竹・縄・菜種殻など。

大蛇の胴体部分は束ねたハンノキの枝を三本の青竹で支え、縄で固く縛っています。

頭は菜種殼、胴体のうろこはアカマツの板を使用しています。

全てを手作業で、中学1年生〜34歳までの松明組・OB会・老人クラブなど各世代が協力して行います。

 

 

火まつり当日

 

 

当日の午後に祭りの主役となる大松明1本1本に、御神酒(おみき)・鰯(いわし)・豆腐(とうふ)を供えて祈祷します。

その後、日が沈む頃に、火まつり交流館へふんどし姿の若衆が集まります。

勝部神社からの使者を待ち、お迎えがきたら神社へ向かいます。

清めを行った後、3基の大太鼓が街中を練り歩きます。

大太鼓が街中を練り歩くのは、街中の邪気を集めるという意味があるそうです。

 

※実際の大太鼓のミニチュア

 

 

はじまり

 

「大蛇退治で天皇の病気が良くなった」という言い伝えがきっかけで始まったお祭りです。

鎌倉時代に土御門(つちみかど)天皇が、原因不明の病にかかり占い師に相談すると、近江国の大きな沼にすむ大蛇が原因とわかった。

勝部神社で村人が天皇の回復を祈り続け、50日後に現れた弱った大蛇を焼き払うと天皇の病気が治ったという言い伝えです。

それから約800年、地元で脈々と受け継がれています。

 

 

 

“憧れの火まつり”を取り戻す

 

勝部の火まつり松明組 令和4年度組長 小島拓也さん。

 

 

松明組の組長は毎年変わります。

最終年にあたる34歳になる組員がやることになっています。

僕で811代目の組長です(笑)。

 

去年の組長は同級生の小島慎平でした。

 

※右が810代目の組長の小島慎平さん

 

 

3年前から新型コロナウイルスがまん延し、僕たちが小さい頃から見てきた“憧れの火まつり”を開催することが出来ませんでした。

※2021年・2022年は規模を縮小して開催

 

 

その理想と現実に悩み「どのような形で開催するべきなのか?」、「開催してもよいのだろうか?」と日々悩みました。

しかし、どのような形であっても、祭りを開催できたことは、「800年以上も継承されてきた勝部の火まつりを絶やすことなく後世へ継承していくために必要なことだった」と今では感じています。

本年度は皆様の無病息災を祈念すると共に、少しでも“憧れの火まつり”に近づけるよう精進したいです。

今後も先輩方が継承してこられた勝部の火まつりを、この先、何十年・何百年と繋いでいけるよう今の事だけを考えるのではなく、その先の事も考えて、組員全員で力を合わせて日々行動していくつもりです。

 

 

 

松明組の組長は大変なこともありますが、800年以上続く伝統的な祭りの組長なので、とても名誉でやりがいがあります。

組長としての仕事は1年間のうち150~200日くらいあるんです。

特に重要な勧財(かんざい)は、地域の企業や団体・在住の皆様に、ご祈祷料のお願いをしに組長はじめ組員たちが自分たちの足で1軒1軒回ります。

約800軒ある勧財を自分たちの足で回る理由は、ご祈祷料を頂くと同時にその企業や団体・在住の皆様の邪気を集めるという目的があるんです。

その集めた邪気を火まつりで燃やして、ご祈祷するというのが伝統です。

 

 

 

今の課題は、「僕たちが子どもの頃に当たり前のように憧れていた勝部の火まつり」を取り戻すことです。

現在の勝部町は、大阪や京都に勤務している人たちのベッドタウンになっていて、僕たちの子どもの頃よりも人口が増えています。

でも、なかなか「この伝統」を理解して頂けない部分や上手く発信できていないところがあって…

松明組の組員はどんどん減っています。

勝部の火まつりについて、少しでも知ってもらいたいので町内で様々な体験活動をしていますが、お祭りに馴染みのない方たちからすると「参加しづらい」のかと思います。

それを痛感していますし、今後の課題でもあります。

約800年続いている祭りを絶やすわけにはいきません。

これからもいろいろと進化させていきたいと思っています。

開催情報

 

開催日
2023年1月14日(土)

 

開催場所
滋賀県守山市 勝部神社

 

勝部の火まつりは滋賀県守山市の勝部神社で、毎年1月の第2土曜日に開催される勇壮な火祭りです。
お祭りの主役は、松明組(たいまつぐみ)という勝部町と梅田町の中学1年生〜34歳までの若い男子たち。
大蛇に見立てた大松明(おおたいまつ)を燃やし、1年間の健康を祈ります。
1958年に滋賀県の無形民俗文化財に指定されました。

 

住所
滋賀県守山市勝部1-8-8(勝部神社)

 

アクセス
車/名神高速道路「栗東インター」から約5km
電車/ JR琵琶湖線 守山駅から徒歩 5分

アクセス