鳥羽の火祭り
開催日
2023年2月12日(日)開催地
愛知県西尾市 鳥羽神明社(とばしんめいしゃ)「鳥羽の火祭り」みどころ紹介 2023年2月12日 開催
みどころ
毎年旧暦1月7日(現在は2月第2日曜日)に、愛知県西尾市の鳥羽神明社(とばしんめいしゃ)で行われる鳥羽の火祭り。
起源は由緒記録等焼失のため不詳ですが、約1200年前と伝えられています。
西を福地(ふくじ)、東を乾地(かんじ)と鳥羽町を東西に分け、「すずみ」と呼ばれる高さ約5メートルの大松明の中に収められた神木と1年の月数を表す十二縄を取り出す早さを競います。
燃えさかる「すずみ」の中に飛び込むのは、両地区から1人ずつ選ばれた25歳の厄男である「神男(しんおとこ)」と奉仕者です。
その結果で、その年の天候と豊凶や作物の出来具合を占います。
鳥羽の火祭りは、2004年 国の重要無形民俗文化財に指定されました。
「すずみ」作り
「すずみ」作りは、神木をカヤで包み、青竹60本でまわりを囲み、藤蔓(ふじづる)で巻き上げ、根元には1年を表わす十二縄を巻きます。
今年は旧暦の閏年なので、青竹は61本で作ります。
閏年は「すずみ」作りにおいて、数や長さが異なります。
そう説明してくれたのは、三河鳥羽火祭り保存会 大西俊竹会長です。
高さ約5メートル・重さ約2トンの大松明「すずみ」が2基出来上がると、「すずみ」の下に太い丸太を4~5本通して、あの掘られた穴まで100~150人で運ぶんです。
「すずみ」には全て“自然のもの”を使います。
例えば、このカヤやススキは鳥羽町の人たちが自分で集めて、このようにトラックなどに積んで奉納してくれます。
「すずみ」に巻き付ける藤蔓も、若い衆50人くらいで山へ行って採ってきました。
この「すずみ」作りは全て口頭伝承なんです。
「すずみ」作りをする時は経験者たちが自然と集まってくれて、それぞれが自分で役割分担をしてくれます。
それだけ火祭りは、この鳥羽町にとって大切な行事なんです。
2基の「すずみ」が並んで立てられると、梯子や丸太で固定し「すずみ」作りは完了します。
鳥羽神明社の西にある宮西川を境に地区分けした福地と乾地が、どちらの「すずみ」にするかを決めるために縄を使ったくじ引きを行います。
禊(みそぎ)
祭り当日の午後3時から「神男」を中心に約100人の奉仕者が、下帯・鉢巻・白足袋・腹に晒(さらし)を身に着け、お祓いをうけます。
西の福地の「神男」が、御幣を持ち隊列を組んで、約1キロ離れた鳥羽海岸へ出発します。
御幣を地につけることは禁止されているので、着替えの時なども足に乗せます。
隊列は海岸に着くと、海水が首を浸すあたりまで走って行きます。
御幣は海の中へ洗い落とし、奉仕者は海中から上がって海岸の焚火で体を温めます。
東の乾地の「神男」が、竹のみになった御幣を持ち、隊列を組んで神社へ戻ります。
1945年から現在までの「神男」に選ばれた方の名前が並びます。
火祭り
火祭りは午後7時30分から始まります。
「神男」や奉仕者たちは、古い幟(のぼり)で作った独特の衣装を身に着けています。
拝殿でのお祓い・受け玉串を奉り拝礼・拝殿脇のお祓い所で全員のご祈祷・清めの儀式が終わると、高張提灯を先頭に、宮司・火打ち・塩まき・「神男」2人・添棒と呼ばれる前年の「神男」2人・アテ棒2人・払い棒の福地と乾地の奉仕者12名ずつ・その他の奉仕者が「すずみ」の前まで整列して進みます。
「すずみ」のお祓い、「神男」及び奉仕者を塩で清めた後、火打石で火をおこし、2人の「神男」・添棒・奉仕者数人で、ゆすり棒の先端にくくりつけた藁にその火を移し、両者同時に「すずみ」の上部に点火します。
「すずみ」の燃え具合によって太鼓の合図があり、「神男」たちは「すずみ」にゆすり棒を突き刺して揺さぶります。
奉仕者たちも梯子を伝い、よじ登って「すずみ」を揺すったり、燃えるカヤをかき出すようにして下へ落とします。
「すずみ」につかまって全身で揺する奉仕者たちの頭巾をかぶった衣装が猫に似ているところから、地元では奉仕者たちを「ネコ」という通称で呼びます。
「ネコ」たちが頭から水をかぶり、「すずみ」の中に飛び込み、神木と十二縄を競って取り出し御神前に供えます。
三河鳥羽火祭り保存会 大西俊竹会長
これが祭りで着る「ネコ」の衣装です。
衣装は基本的に自分たちで作ります。
「ネコ」とは、この目しか出ない頭巾の形からです。
私も若い頃は「ネコ」をやっていました。
18歳くらいで初めて「ネコ」をやった時は、火が凄くて、なかなか行けませんでした。
それを見た先輩たちに『行くぞ!』と言われて連れて行ってもらいました笑
「ネコ」は「すずみ」に飛びついたら、下しか向けません。
上を向くと火傷しますからね。
祭りは「すずみ」の燃え具合によって、その年の天候や豊凶を占うものです。
煙が多ければ雨が多く、竹の音が激しければ雷が多いといわれています。
燃え残った竹で箸を作り、それで食事をすると歯の病にかからないと伝えられており、燃え残りを持ち帰ることもできます。
開催情報
開催日
2023年2月12日(日)
開催場所
愛知県西尾市 鳥羽神明社(とばしんめいしゃ)
鳥羽の火祭りは、毎年旧暦1月7日(現在は2月第2日曜日)に行われます。
愛知県西尾市鳥羽町を西の福地(ふくじ)、東の乾地(かんじ)と東西に分け、「すずみ」と呼ばれる高さ約5メートルの大松明の中に収められた神木と1年の月数を表す十二縄を取り出す早さを競います。
燃えさかる「すずみ」の中に飛び込むのは、両地区から1人ずつ選ばれた25歳の厄男である「神男(しんおとこ)」と奉仕者です。
その結果で、その年の天候と豊凶や作物の出来具合を占います。
鳥羽の火祭りは、2004年 国の重要無形民俗文化財に指定されました。
住所
愛知県西尾市鳥羽町西迫89
アクセス
車/国道23号(岡崎バイパス)「幸田桐山インター」から約10km
電車/名古屋鉄道(名鉄)蒲郡線 三河鳥羽駅より徒歩で約10分
※鳥羽の火祭り開催時は、神社東側の「ふるさと公園グランド」他が駐車場として開放されます。(境内には駐車できません)