まつりの遺伝子
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まつりの遺伝子

流鏑馬の神事やぶさめのしんじ

開催日

2022年7月24日(日)

開催地

長野県大町市大町 若一王子神社
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みどころ

流鏑馬の神事(やぶさめのしんじ)は、平安時代から戦国時代にかけて現在の長野県大町市周辺を治めていた仁科氏により行われた五穀豊穣を祈る行事です。

流鏑馬は承久の乱の折、出陣の際に武運を祈って神前に奉納したことが始まりとされています。

700年余りの歴史を持つ若一王子(にゃくいちおうじ)神社で行われる流鏑馬の神事は、鎌倉の鶴岡八幡宮、京都の賀茂神社と流鏑馬として名高い行事なのです。

 

 

子どもによる流鏑馬

 

 

流鏑馬の神事の最大の特徴は、全国でも珍しい「子ども流鏑馬」。

弓を射る役を7才~9才位の子どもが務めるという点です。

子どもたちは十町の町からそれぞれ1名が選出され、流鏑馬を行います。

 

大町では射手(弓を射る人)を「ボボ」と呼んでいます。

ボボとは、子どもを指す方言です。

ボボは顔に白粉を塗り、まろ眉を書いた凛々しい化粧が施されます。

頭には錦の縁取りされた三段の冠の頂上に鶏の飾り物を付けた三蓋笠(さんがいがさ)をかぶり、華やかな赤い狩装束に身を包み太刀を差し重藤の弓を持ち箙(えびら)に矢を差し、騎乗します。

馬には町ごと揃いの支度で口取役・うちわ役・笠役・後衛役・弓取役・介添役、そして射手の父親がとり囲む射隊(いたい)が町内を巡行していきます。

 

 

 

流鏑馬の神事の流れ

 

 

射隊は大町市内の三日町・大黒町・九日町・六九町・白塩町・北原町・上仲町・下仲町・南原町・仁科町より合計10騎。

一番北に位置する三日町からスタートします。

順々に所定の時間、所定の場所に出向き「お下りください」とあいさつを交わしながら大通りを下っていきます。

 

JR信濃大町駅前に到着すると、1騎につき1回、最初の奉射をします。

「イタイボボ」にとっても、馬にとっても緊張の一瞬。

無事に奉射が済むと再び隊列を組み、途中にある「いーずら大町特産館」前で2回目の奉射をしながら若一王子神社へと向かいます。

 

 

 

神社に到着すると、境内入口で町ごとにお祓いを受け、三重塔南側に設置された三ヶ所の的場を、まず射らずに3回まわります。

次に神社総代会長から矢を受け、矢を射って3回。

最後は的の方を矢に付けて3回。

合計で9回を約1時間かけてまわります。

このやり方は、古くからの習わしです。

 

境内にカツカツと馬の蹄の音が響き、矢が的に当たるたびに大きな歓声が上がる様は、このお祭りの勇ましさを感じさせます。

 

終了すると「イタイボボ」は、地面に足がつかないように馬から降ろされ、そのまま抱えられて神社本殿へと運ばれます。

神前に流鏑馬の終了を報告・参拝すれば流鏑馬の神事は無事に終了。

「イタイボボたち」は的板と矢を受け取りますが、これらは無病息災のお守りとして神棚に上げ、祖先に報告して一年の加護を祈ります。

 

開催情報

開催日
2022年7月24日(日)
※本年度は規模を縮小して開催予定

 

開催地
長野県大町市大町 若一王子神社

 

長野県大町市にある若一王子(にゃくいちおうじ)神社の例祭奉祝祭で行われる流鏑馬の神事(やぶさめのしんじ)は、全国的にも珍しい子ども流鏑馬です。
各町内から選出された10人の子どもたちが華やかな衣装をまとい、各町から隊列に加わりながら町内を一巡し、神社境内3か所の的を射る流鏑馬神事が行われています。
大町の流鏑馬は県指定無形民俗文化財にも指定されています。

 

住所
長野県大町市大町2097

 

アクセス
車/長野自動車道「安曇野インター」より約40分(約25km)
電車/大糸線 JR信濃大町駅より約2km(徒歩25分)

アクセス