まつりの遺伝子
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まつりの遺伝子

岳の幟たけののぼり

開催日

2022年7月16日(土) ~7月17日(日)

開催地

長野県上田市 夫神岳から別所温泉街
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みどころ

別所温泉のある長野県上田市塩田平。
この地域は昔から水不足で大いに悩まされていました。
灌漑(かんがい)用のため池をたくさん作ってなんとかしのいできましたが、室町時代(永正元年)、ひどい日照りが続き、大きな干ばつに見舞われてしまいます。
作物のほとんどが緑を失ってしまうのを目の当たりにした村人たちは、村の西にそびえる霊山「夫神岳(おがみだけ)」に登り、長い布を振りながら雨乞い祈願をすると恵みの雨が降ったということです。
それ以来、夫神岳山頂に祠(ほこら)を立て、九頭竜権現(龗=おかみ)を祀り、反物を奉納、感謝と祈願をしたのが始まりだといわれています。
また幟に使った反物でゆかたを作り着ると病気にならないともいわれています。

 

 

 

天高く掲げられる色とりどりの幟(のぼり)

 

  

 

祭りは毎年7月15日に近い日曜日に行われ、2022年は7月17日(日)が開催日です。
当日の夜明け前、まだうす暗い中を幟(のぼり)行列の担い手たちは、色とりどりの布(反物)を巻いた竹竿を担いで別所温泉から標高1250mの夫神岳の山頂を目指します。

 

日の出の午前6時ごろ、山頂についた担い手たちは九頭竜神の祠に岳の幟の布と御神酒をお供えして、地域の安全と五穀豊穣を祈りお祓いをします。

大人の背丈の2倍以上はあろう竹竿がずらりと列をなし、色とりどりの反物がはためく様はまさに圧巻。
夏の青空に映えることもあり、県内のみにとどまらず観光客やカメラマンが集まります。

 

 

 

 

三頭獅子舞

 

 

行列の途中から幟の本数も増え、三頭獅子とささら踊りの一行と合流すると、祭りは一層華やかになります。

 

頭の青い「竜頭青面」(雄獅子)2頭と、頭の赤い「竜頭赤面」(雌獅子)1頭からなる三頭獅子は、笛や太鼓の演奏に合わせて腰に付けた太鼓を打ちながら舞います。
この三頭獅子は上田小県地方に多く見られる独特の文化であり、地域の特色の一つです。

 

獅子は竜の頭をしており、鳥の羽根をつけ黒く染めた麻を背中に垂らしています。
一般的な獅子舞では、天狗に扮した者が大きなうちわを持って獅子を扇いでいることが多いですが、三頭獅子ではそれがありません。
笛と太鼓が踊りをつなぎ、勇猛な2頭の雄獅子が、1頭の雌獅子を奪い争う荘重かつ迫力ある演舞は見る者の心を震わせます。

 

 

 

ささら踊り

 

 

小学生の女の子が中心となり、竹の枠に大きな牡丹の造花を付けた花笠をかぶり、丈の短い浴衣を水色のたすき掛けにして演じます。
この女の子たちを「花笠童女」と呼んでいます。
ささらとは竹や細い木などを束ねて作られた楽器です。
これを細い棒でこするとサラサラという音がするので、稲穂がこすれ合う擬音である「ささら」からこの名前がつきました。

 

ささら踊りでは30cmほどのささらを両手に持ちすり合わせ、ささら唄という五穀豊穣を願う唄に合わせて踊ります。
踊りにつかわれるささらは全て手作り。
毎年3月になると地域住民の方々によって一つ一つ丁寧に作られます。

 

 

力強い獅子舞の太鼓と、ささらの軽快な音色でお祭りムードは最高潮に。
7月17日(日) 9:00頃に別所温泉 観光駐車場、10:25に別所神社の神殿で舞を奉納すると祭りは終わります。

開催情報

開催日
2022年7月16日(土) 先陣神幸祭
2022年7月17日(日) 本祭
※本年度は規模を縮小して開催予定

 

開催地
夫神岳から別所温泉街

 

室町時代の大干ばつに、村人が夫神岳(おがみだけ)の山の神に雨乞いをしたところ、雨が降りました。
以来、各家で織った布を奉納するようになったのが始まりといわれ、500年以上続いています。
1997年に国の選択無形民俗文化財として登録。
1998年の長野オリンピックの閉会式で披露され、その名が広く知られることとなりました。

 

住所
長野県上田市別所温泉

 

アクセス
車/上信越自動車道「上田菅平インター」より約30分(約20km)
電車/上田電鉄別所線 別所温泉駅

アクセス