無生野の大念仏
開催日
2023年2月5日(日)開催地
山梨県上野原市 秋山村無生野集会所日本テレビ「まつりの遺伝子」 2月26日放送
「無生野の大念仏」みどころ紹介 2023年2月5日 開催
みどころ
無生野(むしょうの)の大念仏は、山梨県上野原市秋山の無生野地区に伝わる踊り念仏を主体とした伝統行事です。
毎年、旧暦1月16日頃(2月・3月の当たり日に近い日曜日)と新暦8月16日(固定)の2回、秋山無生野集会所で行われます。
起源は600年以上前に、非業の死を遂げた護良(もりなが)親王と雛鶴姫(ひなづるひめ)を供養するために始まったといわれています。
1960年 山梨県の無形文化財に指定され、1972年には国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されました。
さらには1995年 国の重要無形民俗文化財に指定されました。
そして2022年には、無生野の大念仏を含む風流踊(ふりゅうおどり)が、ユネスコ無形文化遺産への登録が決定しました。
ユネスコ無形文化遺産
昨年11月初旬に勧告があって、12月1日に決定の知らせがきてからは、もの凄い数の取材依頼があります。
そう話すのは、無生野大念仏保存会の原田住治会長です。
しばらくコロナ禍で開催できませんでしたが、ユネスコ無形文化遺産に登録されることで保存会の士気も上がり、今回3年ぶりに開催できることになりました。
ただ、まだコロナが終息してないこともあり、保存会と関係者だけで行います。
地域の高齢化もあり後継者が少なくなっていますが、ユネスコ無形文化遺産に登録されるので、この無生野の大念仏を継承して守っていくことが、会長である私の任務だと思っています。
僕は保存会に小学校1年生から所属しています。
現在、大学4年生の22歳、無生野大念仏保存会最年少の藤本龍虎(ふじもとりゅうと)さん。
ユネスコ無形文化遺産に登録されるということで、無生野の大念仏が世界の人たちからも注目を集めると思いますし、この地域の活性化に繋がればと思っています。
社会人になっても、しっかりと練習を続けていきたいです。
この保存会の前会長が自分の祖父だったんです。
祖父が頑張っている姿をずっと見てきたので、ゆくゆくは僕がこの保存会を担っていけたら良いなと思っています。
大念仏
大念仏とは人々が一堂に集まって念仏を施す行事のことです。
江戸時代までは各地に見られましたが、現在でも完全な形を残しているのは山梨県では無生野地区だけです。
無生野の大念仏は、鎌倉時代に始まったとされる先祖の供養などを祈る踊りで、太鼓や鉦(かね)が激しく打ち鳴らされる中で白装束を着た踊り手が、太刀(たち)や青竹などを持って念仏を唱えながら踊る、「踊り念仏」ともいわれています。
中でも目を引くのは、病人祈祷である“ぶっぱらい”です。
布団で寝ている「病人役」の上をまたぐように飛び跳ね、3度目に「棒ふり」が掛布団をはねのけ病気回復を象徴する踊りです。
【演目】
道場入り
道場浄め(どうじょうきよめ)
ほんぶったて
一本太刀(いっぽんだち)
二本太刀(にほんだち)
ぶっぱらい
念仏のふた
送り出し
一本太刀・二本太刀
「踊り念仏」は一本太刀から始まります。
一本太刀を演じるのは、太鼓を持つ「太鼓ふり」・青竹の棒を持つ「棒ふり」・一本の太刀を持つ「一本太刀ふり」の3人です。
ゆるいリズムから始まるが途中からどんどん速くなり、太鼓・鉦の激しい連打と、それに合わせて激しく踊ります。
続いての二本太刀は、太鼓を持つ「太鼓ふり」と両手に1本ずつ太刀を持つ「二本太刀ふり」の2人。
踊り方は一本太刀と同様、ゆるいリズムから始まり途中からどんどん速くなり、それに合わせて踊ります。
これらの踊りは舞踊(ぶよう)の初源的な様子をうかがわせています。
ぶっぱらい
病気を払いのけるためのお祓いです。
部屋に寝具を敷き、病人に扮した「病人役」が寝ます。
枕元には教主(きょうしゅ)を演じる者が祈祷文を唱え、囃子が始まると、一本太刀と同じ踊りが始まります。
太鼓の周囲を3回まわったところで、「太鼓ふり」・「棒ふり」・「一本太刀ふり」の順に、「病人役」が寝ている布団の上を次々に飛び越えます。
囃子のリズムも激しさが増すと、奏者は狂気の振りとなって頭上に楽器を上げ、打ち続けます。
やがて「棒ふり」の持っている棒で、掛布団を払いのけます。
“ぶっぱらい”という呼び名は、この動作を指したものです。
「病人役」が寝具から離れることによって、病気回復の象徴として終わります。
開催情報
新型コロナウイルス感染対策として、今回は無生野大念仏保存会と関係者のみで執り行いますので、一般観覧はございません。
何卒ご理解のほど宜しくお願い致します。
開催日
2023年2月5日(日)
開催場所
山梨県上野原市 秋山無生野集会所
住所
山梨県上野原市秋山12370-1
アクセス
車/中央自動車道「上野原インター」から約21km
電車/JR中央本線 上野原駅から約20km