飯田町燈籠山祭り
開催日
2022年7月20日(水)~21日(木)開催地
石川県珠洲市飯田町みどころ
燈籠山(とろやま)祭りは毎年7月20日の暑さが厳しい頃に行われます。
なぜ暑い時期にお祭りをするのかというと、春日神社の御祭神である天児屋根命(あめのこやねのみこと)やその他の7柱を夕涼みに迎えるために始まったからです。
そのため「お涼み祭り」とも言われています。
初期の燈籠山祭りは氏子が高張提灯やデンガク灯籠に灯りをともして賑やかに行われていました。
時代が経るにつれ、燈籠山と呼ばれる大きな山車(やま)に発展しました。
燈籠山は神社などの正式な場所以外で祭祀を行うときは、一時的に神を迎えるための「依り代」でもあります。
豪華絢爛な巨大な燈籠山
4階建てのビルに相当する高さ16mにもなる燈籠山が、この祭りの最大の見どころです。
その上部に約6mもの人形が掲げられています。
その重さは約5tもあり、迫力も満点。
夜になると提灯飾りの光に照らされ、輝きはじめます。
1基の燈籠山と8基の山車は、7月20日14:30に春日神社で曳出し式を終えると、太鼓や笛の音、掛け声と共にゆっくりと街を曳き廻されます。
燈籠山は巨大なため、上部から八方に長い綱が地上に渡され、道路の信号機をかすめるように進む姿は勇壮です。
日が暮れるころになると若山川にかかる吾妻橋の上に8基の山車が一列に並び、20:00頃には飯田港から花火が打ち上がります。
花火と山車の灯りが川面に映し出される幻想的な光景は、お祭りのクライマックスに向けて華を添えます。
お祭りを盛り上げる「きゃーらげ」
燈籠山と山車が街を進む際に用いられるのが、太鼓・笛・鐘、そして「きゃーらげ」です。
「きゃーらげ」は、山車を引き出すとき、または長時間引き回して引き手の息が合わなくなってきたときや山車が動かなくなったときなどに歌う唄で、引き手の1人が「そぉーらぇー」と声を掛けると、囃し手が演奏を始めます。
太鼓や笛などに合わせて、山車を動かすのです。
他の山車と距離を調整するときなど待ち時間にも歌われることもあり、祭りを大いに盛り上げます。
「きゃーらげ」は祭りの進行を受けた引き手が歌い始めることが多いですが、曲を覚えていれば誰でも歌い手として参加することができます。
たくさんの引き手や参拝者がみんなで力を合わせ「きゃーらげ」を歌って、一体感を楽しむことができます。
受け継がれる郷土愛
飯田の子供たちは、小さい頃から祭りに触れ合う体験をしています。
祭りという地域の文化に触れ合う機会によって郷土愛を育むということが自然と作られています。
燈籠山人形を作成する際には、若い衆が針金で造形し、婦人会が総出で布張りをするなど、町をあげて祭りの準備を行っています。
開催情報
開催日
2022年7月20日 燈籠山(とろやま)・山車(やま)の巡行
2022年7月21日 山車巡行のみ
※本年度は規模を縮小して開催予定
開催地
石川県珠洲市飯田町16-21-1
飯田町燈籠山祭りは、能登半島最先端の珠洲市飯田町に鎮座する春日神社の祭礼で、その起源は江戸時代の寛永年間初期(1625年ごろ)まで遡ります。
暑い夏の日、春日神社の御祭神である「天児屋根命」をはじめ七柱の神々に夕涼みを願ったのが祭りの始まりとされています。
現在では、高さ16mもある豪華絢爛な燈籠山(とろやま)や総漆塗りの8基の山車(やま)が曳き回されます。
2015年に「灯り舞う半島 能登 〜熱狂のキリコ祭り〜」の中の1つとして日本遺産に認定されました。
住所
アクセス
車/能越道「能登インター」より約50分
電車/JR金沢駅より特急バスに乗り「珠洲市役所前」または「すずなり」で下車