鷲宮催馬楽神楽
開催日
2023年2月14日(火)開催地
埼玉県久喜市 鷲宮(わしのみや)神社みどころ
埼玉県久喜市の鷲宮神社に伝わる一社相伝の伝統芸能で、「土師一流催馬楽神楽(はじいちりゅうさいばらかぐら)」ともいいます。
鷲宮催馬楽神楽は関東各地の神楽の源流といわれています。
年に6回、鷲宮神社の祭礼に合わせて披露され、五穀豊穣や子孫繁栄を祈願します。
1976年 国の重要無形民俗文化財に指定されました。
催馬楽神楽の特徴
曲目が以前は三十六座(座=演目)あったといわれていますが、現在は十二座形式になっています。
大半は『古事記』と『日本書紀』の神話を題材としています。
江戸の里神楽のような演劇的な要素はなく、一種の舞踊劇になっています。
2人以上で行う“連れ舞い”が多く、古い祭りの儀式や作法をしのばせる格式をもっている典雅な舞です。
構成は、「出端(序の舞)」・「舞掛り(本舞)」・「引込み(終わりの舞)」の三部構成。
各曲目の特色は、「舞掛り」で表現されます。
神楽歌・催馬楽は、「出端」と「舞掛り」の間で歌われます。
奏演日
1月1日:歳旦祭(さいたんさい)
2月14日:年越祭(としこしさい)
4月10日:春季崇敬者大祭(しゅんきすうけいしゃたいさい)
7月31日:夏越祭(なこしさい)
10月10日:秋季崇敬者大祭(しゅうきすうけいしゃたいさい)
12月初酉日:大酉祭(おおとりさい)
演目
第一座 天照国照太祝詞神詠之段(あまてるくにてるふとのりとしんえいのまい)
面をつけない素面による1人の舞です。
「天照国照」とは天地を分けへだてなく照らすこと、「太祝詞」とは立派な祝詞という意味です。
この祝詞は、「これから神楽を行いますが、安全でありますように」との願いをこめて読み上げられます。
このことから、この演目は十二座の最初に行われます。
第二座 天心一貫本末神楽歌催馬楽之段 (てんしんいっかんもとすえかぐらうたさいばらのまい)
素面の2人による舞です。
この演目は、建築にあたっての清めの舞といわれています。
第三座 浦安四方之国固之段 (うらやすよものくにかためのまい)
素面の4人による舞です。
この演目は、国を堅固にするためのものです。
また天候が不順のときにこの演目を行えば、天候が回復するともいわれています。
第四座 降臨御先猿田彦鈿女之段 (こうりんみさきさるたひこうずめのまい)
天狗の面をつけた人と鈿女の面をつけた人の2人による舞です。
この演目は天孫降臨の神話を題材にした、五穀豊穣・国家安穏を祈るおめでたいものです。
また安産の祈願のために、この演目を行ったことも伝えられています。
第五座 磐戸照開諸神大喜之段 (いわとしょうかいしょじんだいきのまい)
素面の巫女が2人と、翁の面をつけた人の3人による舞です。
この演目は天岩屋戸(あまのいわやど)の神話を題材にした、人々の喜びをあらわした舞といわれています。
第六座 八洲起源浮橋事之段 (やしまきげんうきはしわざのまい)
イザナギの面をつけた人(男神)とイザナミの面をつけた人(女神)の2人による舞です。
この演目は、国生みの神話を題材にしたものです。
また、子孫繁栄あるいは開運を祈る演目とも伝えられます。
第七座 大道神宝三種神器事之段 (だいどうじんほうさんじゅじんぎわざのまい)
翁の面・千歳の面・イザナギの面をつけた3人による舞です。
この演目は、国を鎮め守る演目と伝えられます。
第八座 祓除清浄杓大麻之段(ばつじょうしょうじょうおおぬさのまい)
素面の2人による舞です。
この演目は神話「ミソキ」を題材にしたもので、心身を清浄にし身の過ちを改めなさいという教えをあらわしたものといわれています。
第九座 五穀最上国家経営之段 (ごこくさいじょうこっかけいえいのまい)
三番叟の面をつけた人と保食の面をつけた人の2人による舞です。
この演目は五穀が豊かに実り、国が豊かに栄えることを願う舞といわれています。
第十座 翁三神舞楽之段 (おきなさんじんぶがくのまい)
翁の面・三番叟の面・千歳の面をつけた3人による舞です。
この演目は、式三番(能楽の神曲とされる)を象ったもので、他の演目とは非常に異なっています。
平和な世の中であっても用心が必要であることを教えている演目と伝えられています。
第十一座 鎮悪神発弓靱負之段 (ちんあくじんはっきゅううつぼのまい)
右大臣の面をつけた人と、左大臣の面をつけた人の2人による舞です。
この演目は悪魔を降伏させ、諸々のたたりを鎮める神楽として勇壮に舞われます。
また疫病が流行したときに、この演目が行われたと伝えられています。
第十二座 天神地祇感応納受之段 (てんじんちぎかんのうのうじゅのまい)
イザナギの面をつけた人と、イザナミの面をつけた人の2人による舞です。
この演目は、一年中穀物の神を祭り豊作を祈れば、豊作がつづくに間違いないという教えを伝えているといわれています。
また、願いがかなうように十二座の最後に置いたといわれています。
開催情報
開催日
2023年2月14日(火)
年越祭(としこしさい)
開催場所
埼玉県久喜市 鷲宮(わしのみや)神社
鷲宮催馬楽神楽は関東各地の神楽の源流といわれています。
一社相伝の伝統芸能で、「土師一流催馬楽神楽(はじいちりゅうさいばらかぐら)」ともいいます。
年に6回、鷲宮神社の祭礼に合わせて披露され、五穀豊穣や子孫繁栄を祈願します。
1976年 国の重要無形民俗文化財に指定されました。
住所
埼玉県久喜市鷲宮1-6-1
アクセス
車/東北自動車「久喜インター」・「加須インター」から共に約15分
電車/東武伊勢崎線 鷲宮駅から徒歩で約8分
JR宇都宮線 東鷲宮駅より約3.5km・東鷲宮駅西口より朝日バスで「鷲宮神社入口」下車