木幡の幡祭り
開催日
2022年12月4日(日)開催地
福島県二本松市木幡 治家公園・隠津島神社・羽山神社ほか「木幡の幡祭り」みどころ紹介 2022年12月4日 開催
みどころ
毎年12月第1日曜日に開催される木幡の幡祭りは、約1,000年の歴史があります。
木幡山(こはたやま)に降り積もった雪を源氏の白旗と見違った敵の軍勢が戦わず敗走した故事に由来するといわれています。
木幡山に鎮座する隠津島(おきつしま)神社の氏子である木幡の“堂社”と呼ばれる9地区から、羽山神社や隠津島神社までの道のりを色とりどりの布を縫い合わせた幡を担いで、法螺貝(ほらがい)を響かせ歩きます。
古くから伝わる儀礼を色濃く残していることから、1992年に福島県の重要無形民俗文化財に、そして2004年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
かつて木幡山の神々は農業を見守り、地域に暮らす若い男子が成人するのを見届けると信じられてきました。
木幡の幡祭りは豊作への感謝と成人儀礼を兼ねた祭りです。
本年度は治家公園を出立し、幡行列は約3km先の羽山神社へと向かいます。
羽山神社に到着すると、大岩に幡を立てかけ祝詞を唱えて参拝を行ないます。
最後は隠津島神社で参拝を行い、万歳三唱を声高らかに行います。
木幡の幡祭りに初めて参加する者・権立(ごんだち)
木幡の幡祭りでは、成人の儀式が行われます。
そう話すのは、木幡の幡祭り保存会会長で、木幡の幡祭り実行委員会委員長の武藤栄利(むとうたかとし)さん。
木幡の幡祭りに初めて参加する者のことを権立といいます。
各家で母親などが着た赤地の着物を着て、太刀と袈裟(けさ)をつけます。
この権立が行う儀式が「胎内くぐり」です。
※胎内くぐりの様子
人がやっと通れるくらいの狭い「胎内くぐり岩」の割れ目をくぐり抜けるんです。
権立は小銭をくわえて「胎内くぐり岩」の割れ目をくぐり、小銭を落としそっと手で拾う。
このお金は羽山神社を参拝するときに使います。
全員がくぐり抜けると「胎内くぐり岩」の前に並び、「権立よばり」という問答を行ないます。
※権立よばりの様子
その後、羽山神社に到着した権立は、お粥を御馳走になります。
これを「食い初め」といいます。
権立の羽山神社での参拝の際の拝み方は、神社に背を向け拝む「背拝み」、左側を向いて拝む「横拝み」、最後に正面の神社を向いて拝む「正面」と三回行います。
この木幡では、これをやって大人になります。
今では中学生や学生でも、木幡の幡祭りに初めて参加する若者に範囲を広げましたが、今年の権立は1~2人です。
11月18日(金) 木幡の幡祭り実行委員会の会合が開かれました。
“堂社”と呼ばれる「治家」・「塩沢」・「石谷」・「境田」・「折越」・「田谷」・「松ケ作」・「桜畑」・「梨木内」の9地区の代表者、隠津島神社・安倍宮司などが、幡の本数や権立の人数、役割分担などを話し合いました。
※水垢離の様子
木幡の幡祭りの前日には、水垢離(みずごり)という裸で水を浴びて、身を清める行事もあります。
木幡山参宿所では隠津島神社主催の権立を対象にした水垢離も行われます。
本来なら木幡音頭踊り・幡競走・餅つき・餅まきなどの行事もあるのですが、会合での話し合いの結果、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今年は規模を縮小して開催します。
はじまり
木幡の幡祭りは、「前九年の役」で陸奥国領袖(むつのくにりょうしゅう)の安倍頼良と源頼義が戦った故事に因って、神仏の加護を崇敬する郷土民が勇壮な平安絵巻を継承してきた祭りです。
1055年 天皇の命を受け陸奥征伐(むつせいばつ)に出向いた源頼義・義家らが戦いに敗れ、わずか数騎で逃れ木幡山にたてこもり、神社に戦勝を祈願したとされます。
その夜、折からの雪で山上の木は全て源氏の白旗のようになり、安倍軍は戦わずして引き返してしまいました。
その後、神仏の加護を深く信ずる郷土民はこの縁起を「幡祭り」とし、現在に継承しています。
開催情報
開催日
2022年12月4日(日)
開催場所
福島県二本松市木幡 治家公園・隠津島神社・羽山神社ほか
毎年12月第1日曜日に開催される木幡の幡祭りは、約1,000年の歴史があります。
木幡山に鎮座する隠津島(おきつしま)神社の氏子である木幡の“堂社”と呼ばれる9地区から、羽山神社や隠津島神社までの道のりを色とりどりの布を縫い合わせた幡を担いで、法螺貝(ほらがい)を響かせ歩きます。
古くから伝わる儀礼を色濃く残していることから、1992年に福島県の重要無形民俗文化財に、そして2004年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
住所
福島県二本松市木幡治家49(隠津島神社)
アクセス
車/東北自動車道「二本松インター」から約30分
電車/JR東北本線 安達駅から車で約20分