男鹿のナマハゲ
開催日
2022年12月31日(土)開催地
秋田県男鹿半島及び山本郡三種町・潟上市など約90地区日本テレビ「まつりの遺伝子」 12月18日放送
みどころ
秋田県の男鹿市の人々にとってナマハゲは、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす年の節目にやってくる来訪神です。
大晦日の晩、各地区の青年たちがナマハゲに扮して、「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡ります。
ナマハゲを迎える家では、昔から伝わる作法により料理や酒を準備して丁重にもてなします。
1978年「男鹿のナマハゲ」として、国の重要無形民俗文化財に指定されました。
2018年には、男鹿のナマハゲなど8県10行事は「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。
真山(しんざん)のしきたり
ナマハゲは秋田県の男鹿半島及び、山本郡三種町・潟上市の一部において見られる伝統的な民俗行事です。
200年以上の歴史があり、現在も約90地区でナマハゲが行われています。
真山地区では古くから伝わっているという角のないお面をかぶり、2匹が1組となって家々を練り歩きます。
大晦日の夕方、ナマハゲに扮する若者が会所に集い、ケデ(ワラ製の衣装)に身を包みます。
会所には、お面とナマハゲに捧げる料理も準備されます。
お面が渡され、面を付けたナマハゲにお神酒(おみき)を捧げます。
ナマハゲは真山神社へ移動して神事に臨みます。
心身ともにナマハゲと化して、境内にある歓喜天堂(かんぎてんどう)に詣でます。
ナマハゲは、むやみやたらに家には入りません。
ナマハゲを家に入れる主導権は、その家の主人にあります。
先立(さきだち)という役目の者が、家の主人にナマハゲを入れても良いかを事前に確認します。
了承を得たのち先立の合図を確認すると、ナマハゲに扮する2人の若者が「ウオー!」という奇声と共に乱入します。
真山のナマハゲは、その動作一つ一つに昔からのしきたりがあります。
まずは家に上がる前に、四股(シコ)を7回踏みます。
四股を踏んで初めて家に上がり、家の中を歩き回ります。
「ナマケモノの匂いがする」「ナマケモノはいないか!」などと、荒々しい奇声を上げて、強く踏みしめながら歩き回ります。
その家の主人が荒れ狂うナマハゲをなだめて、丁重にもてなし、ナマハゲにお膳を添えます。
ナマハゲは添えられたお膳に座る前に、5回四股を踏みます。
「ウオー!ウオー!」と唸っているナマハゲに、家の主人は酒肴をすすめます。
主人とナマハゲとの間で、家族の様子や田畑の作柄などについての様々な問答が交されます。
問答の後、ナマハゲは来年も豊作であるよう祈願し、再び立ち上がり3回四股を踏み、また歩き回ります。
家を立ち去る前に、「来年もまた来るぞ!」と言い残し次の家へ向かいます。
ナマハゲは、その家の子どもたちが病気や怪我などせず幸福になれるよう四股を踏みます。
家に上がってすぐ7回、お膳に着く前に5回、立ち上がる際に3回四股を踏む。
これは「七・五・三」という男鹿真山のナマハゲ独自のしきたりなのです。
ナマハゲの残したケデのワラは、病人の患部に巻き付け疾病平癒に、また無病息災を祈願できるといわれており大事に拾い集めます。
家巡りを終えたナマハゲは歓喜天堂に戻り、まとったケデを柱に巻き付けてお堂に詣でます。
歓喜天堂の近くにそびえる慈覚大師(じかくたいし)が植えたと伝えられる樹齢1,000年を超える榧 (かや)の木にもケデを巻き付けます。
真山のナマハゲの伝承は、今でも地域の人々の手によって受け継がれ、次世代へと継承されていくのです。
記録
ナマハゲに関する記録で最も古いのは江戸時代の紀行家・菅江真澄の「牡鹿乃寒かぜ」です。
その中で、1811年正月15日に訪れた男鹿・宮沢のナマハゲを生身剥ぎ(ナモミハギ)として詳細な解説と絵を残しています。
また、民俗学的見地から多くの研究の対象ともなり、柳田国男の「小正月の訪問者」や折口信夫の「まれびと」、岡本太郎の「日本再発見―芸術風土記」などに取り上げられています。
男鹿の民俗学研究者・吉田三郎は、1935年「男鹿寒風山麓農民手記」で、地元の脇本村大倉のナマハゲについて詳しく紹介し、その後、南秋田郡全域にわたるナマハゲ調査を実施しました。
吉田三郎の著書は、ナマハゲに関する研究の先駆となりました。
開催情報
開催日
2022年12月31日(土)
開催場所
秋田県男鹿市真山(しんざん)地区ほか、約90地区
大晦日の晩、各地区の青年たちがナマハゲに扮して、「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡ります。
ナマハゲは、秋田県の男鹿半島及び、山本郡三種町・潟上市の一部において見られる伝統的な民俗行事です。
ナマハゲを迎える家では、昔から伝わる作法により料理や酒を準備して丁重にもてなします。
1978年「男鹿のナマハゲ」として、国の重要無形民俗文化財に指定されました。
2018年には、男鹿のナマハゲなど8県10行事は「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。
住所
秋田県男鹿市北浦真山水喰沢97(真山神社)
アクセス
車/秋田自動車道「昭和男鹿半島インター」から約40分
電車/ JR男鹿線 男鹿駅から「なまはげシャトル(全便事前予約制)」で約30分・真山神社前で下車