白八幡宮大祭
開催日
2022年8月14日(日)~16日(火)開催地
青森県西津軽郡鯵ヶ沢町 白八幡宮周辺みどころ
生きた歴史遺産「神輿渡御行列」
4年に一度、鰺ヶ沢は歴史絵巻の舞台へと変わります。
古式ゆかしい装束を身にまとった神職や、裃姿の奉行役、旗や弓、槍などを持つ、棒持者(ぼうじしゃ)200名以上からなる神輿渡御(みこしとぎょ)行列。行列の長さは、およそ1kmにも達します。
行列には70以上の役職があり、その人数と並びが細かく取り決められ、まるで絵巻のような光景が目の前で繰り広げられます。
また、行列の中心をなす二柱の神輿には、白鳥大明神と白八幡宮の御神体が納められています。
白鳥大明神はその昔、田中町の水屋浜というところにあり、御神体は海から上がってきたものと言われています(現在は、白八幡宮に合祀)。
さらに、各町内の山車が雅な祇園囃子(ぎおんばやし)を奏でながら行列にお供します。
行列の棒持者が「口覆い」(口を覆い隠す三角状の布)を着けるのも、穢れを忌むという古来のしきたりを伝えるものです。
また、沿道の人々は玄関先に米・灯明・お神酒を供え、正座して御神輿を迎えるのが、昔からの習わしとなっています。
祭を彩る人形山車と伝統芸能
大祭を華やかに盛り上げる神輿のお供をする各町内の山車。
現在、鰺ヶ沢地区の町内ごとに10台の山車があり、今年は6台の山車が運行されます。
山車には神話や武者を題材にした勇壮な人形が飾られ、鉦(かね)や太鼓、笛などで祇園囃子を奏でながら運行されます。
祭り期間中、新町では、子供たちによる伝統の神楽「カシ禰宜(ねぎ)」が行われます。
15日の自由運行の時には、町内ごとに、お囃子に合わせて男の子が踊る「チャンチャレンコ」や、女の子が踊る「夜神楽」が披露され、祭りを一層盛り上げます。
現在では「ねぶた」「ねぷた」の盛んな津軽地方においても、かつては弘前、黒石、青森などで山車を伴う祭礼が行われていましたが、いずれも廃絶しています。白八幡宮大祭は、神輿渡御に人形山車がつく行事としては、津軽地方で唯一存続している祭りとなっています。
厳かな雰囲気の海上渡御
大祭の3日目には、御座船(ござぶね)に御神輿を乗せて沖へ繰り出す海上渡御も行われます。
先導船の舳先に立つ神職が海上を祓いながら進み、御座船では神職による奏楽のもと、厳かに大漁祈願祭、海上安全祈願祭が齋行されます。漁船が大漁旗で飾り立てて御座船の後に続くさまは、夏の日本海を彩る壮観な光景です。
海上渡御が終わると、神輿渡御行列が再開されます。
古くからの道筋に沿って町中を巡幸した御神輿がつつがなく本殿にお還りになると、神社では還幸祭(かんこうさい)が行われます。最後に宮司が御神体を本殿に安置し、還御(かんぎょ)の祝詞(のりと)を奏上、玉串を奉奠(ほうてん)し大祭を終え、そしてまた4年の時を待ちます。
開催情報
開催日
2022年8月14日(日)〜16日(火)
・8月14日(日)
10:00〜 塩竃神社神楽(カシ禰宜)奉納【新町町内】
13:00〜 御神輿渡御・山車合同運行【舞戸方面】
・8月15日(月)
08:00〜 各町内山車自由運行【町内一円】
10:00〜 塩竃神社神楽(カシ禰宜)奉納【新町町内】
・8月16日(火)
10:00〜 御神輿海上渡御【鰺ヶ沢湾内】
10:00〜 塩竃神社神楽(カシ禰宜)奉納【新町町内】
13:00〜 御神輿渡御・山車合同運行【大和田方面】
※4年に1度開催。
(昨年新型コロナウイルスの影響で延期。次回2025年開催予定。)
開催地
青森県西津軽郡鯵ヶ沢町 白八幡宮周辺
白八幡宮大祭は、神輿渡御行列に各町内の山車が運行される祭りで、北前船によって運ばれた上方文化を今に伝えるとされています。京都の祇園祭の流れをくむことから「津軽の京祭り」と呼ばれています。
鰺ヶ沢港を見下ろす高台に鎮座する白八幡宮は、江戸時代より鯵ヶ沢総鎮守として、人々の厚い信仰を集めてきました。白八幡宮大祭の歴史は古く、延宝5(1677)年、地域の安寧を願う行事として、津軽藩の仰せにより始まったとされています。元は、弘前八幡宮祭礼と交互に行われていましたが、大正時代から4年に一度となりました。
現在、津軽地方で残っている御神輿祭りは白八幡宮大祭のみであることから、その歴史・文化的価値は高く、青森県と鰺ヶ沢町の無形民俗文化財に指定されている他、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財にもなっています。
住所
青森県西津軽郡鯵ヶ沢町大字本町68(白八幡宮)
アクセス
車 / 津軽自動車道「津軽柏インター」より約30分
電車 / JR五能線「鯵ヶ沢駅」より徒歩約20分(白八幡宮前)